事業とは

(1)(平5.7.1裁決)国税裁決事例集No.46 平成5年分・第2
 請求人は、反復・継続・独立した行為として土地を駐車場に貸付けており、これは消費税法上、事業として課税資産を貸し付けていることに該当するので、新規事業者ではなく、本件課税期間においては還付を受けるための申告はできない。

(2)富山地裁(平15.05.21判決)平成14年(行う)5号
名古屋高裁金沢支部(平15.11.26判決)平成15年(行こ)5号
 建物の賃貸が、消費税法上の「事業」に当たるか否かが争われた事案  消費税法の趣旨・目的に照らすと、同法上の「事業」の意義内容は、所得税法上の「事業」概念と異なり、その規模を問わず、「反復・継続・独立して行われる」ものであるというべき  本件建物の賃貸は、納税者が、反復・継続・独立して対価を得て行った資産の貸付であるから、納税者が、消費税法2条3号の「個人事業者」に、本件賃貸が同条8号の「資産の譲渡等」にそれぞれ該当する。

(3)東京地裁(平15.02.07判決)平14年(行う)2号
東京高裁(平15.12.18判決)平15年(行こ)69号
 ぱちんこ業は顧客から貸玉料を受け取り、店舗そのものや店内に設置された遊技機を利用させ、その一環として景品交換を行うことを内容とする事業であるから、これは「事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供」に当たり、その一連の事業内容は「資産の譲渡等」に該当する。

(4)(平15.12.17裁決)国税裁決事例集No.66 平成15年分・第2
 約40年に1度行われた立木の譲渡であっても、山林の反復、継続的な育成、管理が行われていた場合には、事業として対価を得て行われる資産の譲渡に該当する。

(5)鹿児島地裁 平成23年3月15日判決(平21(行ウ)20)控訴
 消費税法2条1項8号にいう「事業丨とは反復して継続的に行われるのみならず,物品やサービスの提供者において実質的に消費者に税負担を転嫁し得るようなものを指すというべきである。ある者が対価を得て役務の提供を行った場合には,その事業該当性は,当該役務が形式上いかなる法律上の原因に基づいて提供されたものであるか,すなわち,請負や委任に類する契約に基づいて提供されたものであるか,それとも雇用に類する契約に基づいて提供されたものであるのかということを基準として判断され,それが雇用に類する契約に基づく場合には,事業該当性は否定されることになる。
 原告が専門学校との間で締結した購師契約は,契約当事者の意思を形式的にみる限り,請負や委任に類する契約であると解される。そして,本件講師業務の実態から検討してみても,当事者間での形式的な取扱いにかかわらず,これを雇用に類する契約であるとみるべき事情があるとまでは認められない。したがって,本件講師業務は,請負若しくは委任に類する契約に基づいて,事業として行われたものであると認めるのが相当である。
  租税判例の回顧平成23年上半期 月刊税理 平成24年7月号附録

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