1.2008年
(1)プロジェクトの立ち上げ
2008年には欧州全域における簡素な共通電子書式とインフラストラクチャーの構築を図る検討がECの複数の国においてプロジェクトが立ち上げられた。
(2)プロジェクトの目標
欧州各国が公共部門においてそれぞれの国が構築済みの政府調達システムを壊すことなく、各国現行システムが活用できるような電子システムの導入を目標にした。
新たな汎欧州共通の標準的電子文書・書式の採用
情報通信技術を利用しアクセスポイントを経由した相互接続のシステム構築
電子システムの導入により効率化と経費削減を図ること
このシステムは既存システムを利用しつつ活用するもので、現行システムに取って代わる新たな代替システムではなかった。
(3)プロジェクトの組織
プロジェクトは、PEPPOLコンソーシャムと呼ばれた。
オーストリア、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、ノルウェー、ポルトガル、スウェーデン、英国の11か国の17のパートナー(主に主要な公的eProcurementエージェンシー)で構成された。
(4)プロジェクトの実証実験
汎欧州共通の標準的電子文書・書式は、PEPPOL Business Interoperability Specification (PEPPOL BIS) documentと銘銘された。
通信の相互運用は、European Committee for Standardization (CEN)が規定したCEN Workshop Agreement (通称CWA)に則り行われた。
電子署名についてはEU規制 Electronic Signatures Directive (1999/93/EC):に従っていた。
プロジェクトの電子サービスの実証実験は、2012年8月末に完了・完成した。
2.2012年
OPEN Peppol AISBL(非営利法人)が2012年9月1日にベルギーで正式に設立され、これまでのプロジェクトの実証実験結果が承継された。 国境を越えた電子サービス調達の様々な問題の解決を図ると共に、これまでコンソーシャムに参加した11カ国を超えて汎欧州サービスへの拡大を図る体制を整えた。
また、当初の実証実験は政府部門の既存の調達システムが活用できる電子インフラの構築であったが、OPEN Peppol設立後はPEPPOLアクセスポイント経由の通信システムを利用した電子標準書式文書を民間取引に適用拡大を図るようになった。

EU各国における政府調達の電子インボイスの強制導入の流れ
注:EU各国の政府調達に係る電子文書・書式は統一されていない。
