令和5年(2023年)4月1日以後の適格請求書発行事業者登録

1.登録申請期限(原則)
 消費税の適格請求書(インボイス)を発行するためには、インボイス発行事業者登録をする必要がありますが、登録には申請期限が設けられています。
 
 令和5年10月1日(改正消費税法の施行日)からインボイスを発行するためには適格請求書(インボイス)発行事業者登録申請を令和5年3月31日までに行うことが必要です。
 申請が3月31日の期限を過ぎてしまった場合には、4月1日以降に3月31日までに申請できなかった「困難な事情」を記載して申請すれば、10月1日の登録と扱うみなし規定が設けられているので、9月30日までは登録申請をすることができます。

2.困難な事情
 令和5年度税制改正大綱(2022.12.23閣議決定)において、申請書に「困難な事情」の記載を求めない「運用」がなされることが決定しています。
  令和5年4月1日~9月30日の間の登録申請する場合も「困難な事情」を記載することなく申請できるような「運用」がなされるということは、登録申請さえすれば事情にかかわらず10月1日付けで、みなし登録されることでしょう。
 このことは、登録申請期限が実質的に9月30日まで延ばされたのと同じ効果をもたらします。
 
 税制改正大綱を受けて、国税庁ではこの「運用」について次のような案内をサイトに掲載しています。申請手続|国税庁 (nta.go.jp)
 
  

3.法律構成 
 インボイス事業者登録数をなんとか増やそうと、制度の緩和措置が五月雨式に設けられた関係で、登録申請に係る法律構成が複雑なものになっています。
   
4.令和5年度改正の対応法制度
 令和5年度の「運用」については法令上どのような手当がなされるのか疑問があります。

 令和5年10月1日改正消費税法の施行日に登録する場合は、経過措置のため本則附則で規定されています。
 令和5年3月31日までの原則の申請期限は改正法附則第44条に規定があります。

 3月31日までに登録申請が「困難の事情」によりできなかった場合は申請書に「困難な事情」を記載を求めており、その登録が令和5年10月1日の登録と扱うみなし規定は(政令附則15条)に規定があります。

 申請書の書式は通達で規定されています。この「困難な事情」は書式規定の「その他参考となるべき事項」の一つということになります(省令26条の2第①項第4号)。具体的書式は通達において規定されています。
 
 政令で定める法定要件の「困難な事情」を申請書に記載しなくても10月1日付け登録の「みなし」規定を適用するという法令上の手当がどのようになされるのか公表されていないので分かりません。
 法律本則は国会に上程・審議されるので法案は見ることができますが、今回の登録申請期限の規定は政省令の規定であるため、まだ公表がなくどのようなものか現時点では不明です。
 おそらく、令和5年4月1日付けで政省令の改正が公表(官報掲載)されるのだろうと思っております。
 
 
 
 
 

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