2022 Plans – Peppol CTC Community(CTCC)

 2022年4月Peppol総会で承認されたContinuous Transaction Controls Communityの行動計画では、Peppolの請求書データに含まれるVAT情報(付加価値税)を分散化型の5コーナ-・モデルにより税務当局に提供する法的仕組みが今後検討されていくことになります。

1.Peppol分散型5コーナー・モデル

 分散型5コーナー・モデル(a decentralized preclearance/real-time reporting model with regulated exchange)とは、Peppolの現行4コーナー・モデルにC5プロバイダーを追加する型です。
 C2(売り主側の委託を受けたAP)及びC3(買い主側の委託を受けたAP)は、それぞれがpeppol請求書に含まれるVAT(付加価値税)データを抜き出して一定の書式に従いC5に提供します。C5はデータ検証後にC6(税務当局)にデータを提供しますが、データ提供の規格については当該国の法令で要件が規定されます。
 集中型(centralized)CTCでは、税務当局を中心としたプラットフォームを組むのに対して、分散型(decentralized)CTCでは既存の民間のプラットフォーム(Peppol 4コーナー・モデル)を活用しつつ、税務関係の情報提供だけのための別途のプラットフォームを構築することで分散型と呼ばれています。
 C5コーナーの役割を担うプロバイダーは税務当局からの委託を受ける形でデータの受信と検証を行うことになります。

2.2022年4月のPeppol総会で承認されたCTC行動計画の概要

1.PeppolへのCTC構築の貢献

2.CTC構築のための環境整備

3.Peppol CTCモデルの構築
 IRM (Invoice Response Message:請求書を受信した買手側から売り手に向けて受信した請求書の承認や支払方法について行う情報提供)機能などをCTCモデルに組み込むことの検討。IRM機能はBISの問題でもあるからBISを所掌するPost-Award Domain Communityとの共同作業ということになります。
 新たな組み込み機能には、End(売り手C1)-to-End(買手C4)の暗号化も含まれています。
 注:現行Peppol4コーナーではC2とC3の間の通信だけが暗号化対象であるため、これがend-to-endが実現するとpeppol全行程における暗号化ということになります。

4.Peppol BIS(PINT)における税目コードの扱いについて課税当局の観点を含めて調査検討。

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